DATE 2008.12.30 NO .



『――守るから』


 イミテーション達を相手に剣を振るいながらも、頭の中では繰り返し響く、声。
 彼の戦う様が視界の端に映り、集中しないとダメだと自分を叱咤しても。


『――…守…る――』


 これは、何?
 水底の、泥に埋もれたような、小さな 小さな――


『やっぱり 覚えてない?』


『記憶がないのか?!』
『俺…必…守って…………ず…!!』


「――ティナ!」

「……っ」


『愛……心!――』


 はっと我に返ると、随分遠くにいたはずの彼の姿が、すぐそこにあった。
 声は、消える。

「大丈夫?」

「平気……ありがとう」

「よかった」

 彼は、何だか変わった。
 少し前……瓦礫と戦いの痕が残る場所で目覚めた時から。
 何かを忘れている気がして、不安だった私に、最初に笑いかけてくれた――






 今、クリスタルを得て。
 自分の一番強い気持ちに従った結果の輝きを握り締めて。



 また、声が揺らめく。
 もう、聞き取れはしないけれど。







≪あとがき≫
 ティナ編の個人的感想とカオスレポートを読んで思った事を妄想乙、な産物。
↓以下反転↓
 強い想いを要素に創られた駒の片隅にはその残滓があって、一度はそれが揺り起こされてみたりもしたけれど、 ティナは「ティナ」とは違う道を歩み始めた。だからもうティナとして確立して、強い想いと共に進んで行く。そんなイメージ+出来る限り6の面影をもたせる感じで書いてみたものです。
 レポートは難しくてあんま理解していませんけど;
 その内誰か解説して下さらないかなー……
 ……あ、右寄せが見辛いのは仕様であります。





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